扇子。

 再び義妹宅に戻る。帰宅は2時間後となったので、その前に欲しい本があるので本屋に行きたいと妻に申し出て一人で出かけた。妻は明らかに俺の嘘に気がついている様子だったが見逃してくれたようだ。
 行き先そのものにあまり嘘はない。浪漫遊には本もある。主にコミックとラノベだが…。目的は本ではなく、前夜遊べなかったUFOキャッチャーだ。幸いにして今夜は客がまばらでチャンスはありそうだ。この台のプライズはボーカロイドのイラスト入り扇子2〜3種。100円玉を一つ入れて適当にクレーンを位置決めすると、何と一度に2本つかみとり、しかも落とさずにゲット成功。えっこんな簡単でいいの?。
 もう何度かやろうと思ったが、羞恥心が強すぎて1分以上この台の前に立っていられない。一旦退避して様子を伺っていると、俺の成果を見て同じように簡単だと思ったらしいヲタ風の青年が挑戦して500円ほど投じて1本も取れず、敗退。
 やはりかなり幸運だったようだ。自分の人生に割り当てられた幸運をこれ以上無駄遣いしないよう今夜はここで止めておく。
 
 義妹宅に戻ると姪が俺を見て一言。
 「ね〜、ホントは一人でマック行ってきたんでしょう?」
 ギクゥううう。
 妻曰くこの瞬間の俺は相当うろたえていたそうだ。
 義妹宅には翌週もう一度来ることにして、今夜は帰宅することに。義母は祖母と姪の世話のため義妹宅に宿泊。