土門拳の展覧会。

 今日は10時頃になってようやく起床。そのまま断続的に眠り、気がつけば14時。
 また何もせず週末が終わり無為に打ちのめされるのが嫌だったので、頑張って起き上がり、七尾県立美術館で開催中の「土門拳の昭和」展を観に行く。
 アサヒカメラで木村伊兵衛と共にこの人の作品を取り上げたコラムが連載されていて、何年か前に取り上げられたモノクロ作品が展示されていると聞いてどうしても見たかったのだ。
 着いたのが遅かったので観覧時間はたった1時間しかなかったがとても面白かった。筑豊炭田を題材にしたシリーズはまだ入手が可能なら是非見てみたい。
 観覧者は裕福そうな夫婦が1組と、残りはどこからどうみても自分と同じ空気を漂わせた一人客の男性が数人。そこに紛れると全く自分に違和感がなく、むしろ何かのサークルとして観覧していると思われても不思議ではない…。
 閉館直前の案内放送が流れてふと周囲を見ると誰もおらず自分一人だった。閉館3分前にやっとコースを抜けて売店に行き、今回の展覧会の展示内容が収録された写真集を購入。2,100円なり。
 売店を離れてトイレに行き、戻ってみると館員が誰もおらずロビーの自動ドアが施錠されていた。何度か自動ドアを開けようとセンサ下で行きつ戻りつしたが反応がなく、挙動不審なだけの自分に泣きたくなる。
 幸い、すぐに館員が現れてドアを開けてくれ、お見送りもしてもらったが振り返るとまたしっかり施錠しているところだった。ふと思い出せば、数年前に呉のてつのくじら館へ行った時もやはり最後の客として係員に見送られて、その背後で施錠する音を聞いたのだった。時間を守れない悪癖は治らないものらしい。
 帰宅して写真集を開いたが、所詮は縮刷版であって展示物とはクオリティが違う。特に筑豊炭田シリーズ中の「つくろいもの」の被写体となった女の子は、展示物にあった目の輝きが残念ながら写真集ではすっかり失われてしまっていた。