当て逃げだー!

 それは昨日起きた。
 昨日は午後から、県都で行われるイベントに別の課が参加するのに伴って必要品を持ってブリットで出かけた。
 本来なら社用車で行く事になるのだが、折からの経費削減で車の台数が減らされていて軽4ワゴン車しか空きがなかったのでブリットを出したのだ。
 イベントは大盛況のうちに終り(私ゃ裏方でしたが…)、参加スタッフの何人かは他団体との交流もあってしばらく居残ることになったので、他はそれぞれの社用車で帰って行き、残りは私が連れて帰る事になった。元々アルコールは飲めない私なのでこういう運転手に重宝されるわけだ。
 さて、交流会も終り、21時頃。幹線道に乗り帰ろうとしたのだが、なんだかお腹の具合がよくない。どうも店で出された料理が非常にオイリーだったせいか、食べてる時から「お腹壊しそうだな〜」という予感はあったんだが。
 まぁトイレに行けば楽になるだろう。というわけで乗客に断って途中にある巨大ゲームセンターに立ち寄った。
 トイレにいる間、乗せた連中から何度か携帯にメールや電話が入っていた。私はトイレでは携帯はマナーモードにしているので出るまでそれに気がつかず、折り返し掛けて驚いた。
 『お前いない間に当て逃げされた!すぐ戻れ!』
 おいおいマジか!幸い、誰にもケガはなかった。
 聞けば、私が駐車情に車を停めて立ち去ってからしばらくして、突然「どん」と車ごと前に突き飛ばされるような衝撃を感じたので振り向くと、後ろにDQN風のセダンが突っ込んでいた。泥酔していた奴以外の全員が降りてDQN車を取り囲もうとしたが間に合わず、相手は改造マフラーの爆音を響かせて逃走したそうだ。
 近くにいた目撃者も同様な証言をしていたので、とりあえず警察を呼んだ。
 来るまでの間に損傷確認。リアバンパーの中央に水平に20cmの凹みができて、バンパー全体も取り付け位置から1cmほど前に押し出され、また下がってしまっていた。
 リアのタイヤハウスやマフラーには異常がないので自走は可能と判断。
 警察官が来てくれたので、同乗者が覚えていたDQN車のナンバーを証言して、念のため相手が捕まらない場合に備えて自分の自動車保険を使うための事故証明をお願いした。私自身はその場にいなかったため、同乗者のうち酔っていなかった一人が代表として証言。後で聞くと、彼は本来行かなくてもいい(というか出張命令が出ていない)のに、面白そうだからという理由で勝手に出張について行ったらしい。この事故の件で職場にばれたら怒られるんじゃないか?と冷や汗をかいている。
 現場検証と事情聴取は10分ほどで終わってしまった。自動車保険のサービスセンターに連絡した後、我々はパトカーを見て集まった野次馬をかき分けるようにしてとぼとぼと帰路に着いたのだった。
 走行中に車両最後尾から「キュキュッ」「カツカツ」と異音がするのに気が付いたが、暗いので確認は翌日へ。
 で、今日になってさらに詳しく調べてみると、車体に少しでも揺動がかかると件の場所から音が発生する。ラゲージを全て空荷にしても変わらず。試しにガムテープでバンパーをボディに固着してみると軽減することから、バンパーとボディの接合面に隙間ができたせいだろう。
 車体下面に潜ってみると、バンパー下面とシャシーを固定するステーが衝突時に掛かった圧力で折れ曲がっていて、バンパーを適正位置に保持できなくなっている。私の腕力では元に戻すことができなかった。
 月曜に保険会社の担当者から連絡があるそうなので、すぐ修理していいか聞いてみよう。