新居。

 帰りに先日引渡しされた新居へ立ち寄る。新居といっても私の家ではないけれど。
 既に弟が住んでいるが、全くもって整理整頓ができない男なので運び込まれた荷物はほとんどそのままで、テレビとビデオデッキ、そしてPS2だけが使える状態になっていた。そんなものの前に片付けを済ませろ。
 実は私も家の中を見るのは初めてだったのでうろうろとしてしまったのだが、売れ残りで値引き目当てに買った家にしてはなかなかいい。部屋数は田舎の家(今となっては「本家」と呼ぶべきか)よりひどく少ないが、核家族が住むには充分だ。玄関やトイレの照明は赤外センサー付き。2階もテラスにかなりのスペースが取られていて、廊下は前面ガラス張りで採光はよい。
 しかし私の目で細かいところを見ると、例えば衛星放送やLANの敷設を行えるような配線溝がどこにもない点、バリアフリーに重点を置いたために各部屋の防音が不十分な点(床の段差になる敷居を完全に排除したため、ドアと床に隙間が空く)が気になる。
 それでも、アパートの家賃を払うよりは先に期待の持てるだけいいか。少なくとも母親は満足している。
 私も2階の小さな部屋を割り当てられたので、今度時間を見てインターネット敷設の準備をしてこよう。もっとも現在は固定電話がないので、回線契約から始める事になるが。