霊柩車が来た。
今日は職場の臨時職員さんが退職されるので、私も午後は休みになっていたのを返上してお別れ会のカメラマン。
17年もここで勤めていたというので、当課のほとんどの正職員より長くいたことになる。それだけ経験があるということはどうしても正職員の一部から妬まれることになり、特に定年間近のババァ共にはあからさまなイジメを受けていた。
最後に正門前で集合写真を撮ったのだけど、去り際の彼女は何だかさっぱりした笑顔だった。
で、今日はついにMarkII BLITの納車。
今日でお別れとなるカリーナEDの記念写真を撮る。
就職してから12年間、私の駆け足の青春のどんな場所にも付き添ったワークホース。
彼女は私が履くどんな靴以上に足に馴染み、彼女に乗ればどんな道でも走破できると確信できた。小柄でスマート、余計な装飾なんかなくてもこの世で一番美しかったカリーナ。
燃料消費を調整して、ほぼ燃料タンクは空の状態だったのだが、ディーラーがキャリアにデッキアップする時、傾いてエンストするのも恥ずかしかったので、最後にいつものGSで5リットルだけ給油。
それからディーラー営業氏と待ち合わせ、キャリアを展開しても迷惑にならない港の埠頭でBLITを受け取った。
一目見て「うわー、ホントに霊柩車だ」と思わず声が出た。
写真で見ているとそうは思えないのだが実物はまさに霊柩車。
特に塗装面にガラスコーティングをかけてもらったため、ガラスとボティの境が不明瞭でなおその印象が強くなる。
営業氏に一通りの操作説明を聞く。エアコンダクトがオートスイングなのには驚いたが、今まで計器パネルの照明がグリーンだったのがやたら鮮やかな赤と青になってしまい、これが予想以上に見づらい。
しかし車内はこれまでのEDのタイト感が想像できないほどに広大だ。MarkXはセンターコンソールが太くて足回りが窮屈だったが、こちらはEDよりゆとりがあって寛げる。ムーンルーフのおかげで頭上が狭くなっているそうだが、今までが今までだけに何の圧迫感も感じない。
慣らし運転についてと、EMVとオーディオへの外部入力オプションについて簡単に質問し、後の疑問点についてはまた後日聞くことにした。
現金で代金の支払いをした後、カリーナEDを引き渡す。マスターキーを手渡した時に一抹の寂しさが脳裏をよぎった。
改めてBLITに乗り込みステータスチェックをすると、燃料警告灯が点いている。
「あれー、もしかして燃料ギリギリですか?」
『あ、もし店まで取りに来られたら、20でも30でもサービスしようと思ってたんですけどねー』
白々しいとはこのことだ(笑
営業氏と別れ、そのまま自宅近所の自動車販売店へ行き、自動車保険の車両切り替え手続きを行う。カリーナEDより安全装備特約のおかげで数千円保険料が安くなった。しかし本来なら車両・自損・当て逃げなどもう少し項目を追加すべきなのだろうが、予算なく今回は見送る。
ガラスコーティングは施工から2週間、洗車などしないようにと注意されたが、雨降ったりしたらどうすればいいんだろうか…。