あやしい男。

 今日は朝から昨日の作業の件で各部門長にお詫びに回った。
 全くもって自らの不明、皆さん快く許してくれたものの、一体心中どう思われているのやら…。
 今日はシステム障害の当たり日で、自分の課だけでも5件近く対応要請があった。多くは自分の手を離れてベンダー殿へ送られることとなった。
 新しいシステムは、旧システムと比べて各部門システムの連携が非常に密接に、言い換えれば大変あいまいになっている。障害レポートがあって調査するにも、どのシステム側から調査に入ればよいか未だに迷う。
 そもそも新規に追加されたシステムについては、DB構造がこちらには非公開となっている。そのため、以前であればレコードを縦覧して障害の原因を調べる事ができ、場合によってはその場で即応ができたのに、今は障害レポートを集約して報告することしかできない。
 常駐サポートSE氏は予定通りなら来月には帰社することになる。その後は自分ひとりで対応業務を回して行けるのだろうか…。
 帰宅直前に他部門のページプリンタ故障が判明し、予備機へのリプレースと修理手配をした。
 同系機種で3度目の故障。それ以前に使用していた平成8〜9年製の同等機種と比較して余りにも低い耐久性。どれも某N社の製品だが「コストダウン」とは何なのかを、否応なく思い知らされる。

 職場を出たのは22時過ぎだったが、車に乗り込んだところで窓越しに呼びかけられた。
 ふと振り向くと、警官が2人、こちらにライトを向けて立っている。
「…お疲れ様です、なんでしょうか?」
『こんばんわ、お兄さん、こちらの社員さん?』
「はい」
『ちょっと免許証見せて下さい』
 相当怪しく見えたのだろうか、また職質を受けた。
 …また、と書いたのは、今週頭にも同じように駐車場で職質を受けていたからだ。
『残業大変ですねぇ、ありがとうございました』
 そう言って彼らは去って行った。
 確かに、最近はこの駐車場で車上荒らしが続いたので、警戒してくれているのだろうとは思う。思うのだが…そんなに、怪しいですか?私。