捜査官。

 80年代からパソコン少年だったなら「ニューロマンサー」と共にその世界観への適性が高過ぎて悩んでいる向きも多いと思われる「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の映像化作品「ブレードランナー」。
 その続編となる「ブレードランナー2049」が公開されるとあっては観に行かないわけがない。
 
 20年程前に「ブレードランナー2 レプリカントの墓標」を読んだ記憶では、少なくともレイチェルはデッカードが知らない内に(知っていても「レイチェル」であれば問題視していない可能性もあったが)「人間になった」はずだったが。
 どうしてこうなった・・・。
 
 公開前までに出版された全ての続編やサブストーリーを追いかければ、謎は解けるか。
 
 前作の登場人物が何人か現れる。ハリソン・フォード演じるデッカードだけでなく、「K」が捜査を進める中で面会する老いたガフ、そしてレイチェル。
 レイチェルは別のアクターが演じる身体にショーン・ヤングの当時の表情を前作や記録映像から抽出してCG合成されていたが、登場に期待させる演出をした割には完成度が今ひとつだったのが残念。
 残念といえば、荒廃した世界を緻密に再現していたとは思うのだが、あの汚くて常に水浸しで人がぎっしりと詰まった街の空気が何処かへ消えて、いわば「きれいな荒廃」に代わってしまっていた。
 
 細かい点は兎も角、映画作品としては素晴らしい出来だったのは間違いない。今回観たのは2D版だったが、できればもう一度、次は3D版を観たい。
 それと、ジョイとジョイを持ち運び可能にできるデバイスはどこに行けば買えますか?。