思い付きの工作。

 終業後、ブリットに乗り込んだ時にふと思いついた。
 今手元には中古で集めたものを含めてスピードライト580EXが3つある。
 先日、妻がいない時を見計らってフィギュアの撮影をした時に580EXの3つと270EXの4つで多灯撮影をしてみたが、どうも光が尖すぎて思ったように制御できなかった。
 普通はディフューザとリフレクタを使うのだが、しっかりしたものをカメラ用品で買えばかなりの価格なので、何か代替品を自分で作ってしまえばどうか…。
 ディフューザは単純に薄手のトレーシングペーパーをフラッシュの発光面にかぶせればいい。
 リフレクタはどうだろう?。室内用なら内側に反射シートが貼られた専用のアンブレラが販売されているが1本1万円以上するのが普通だ。
 例えば使い捨てのスチロールや紙製の食器は使えないか?。フラッシュをバウンス位置にして食器に向け、その反射光を使えばかなり柔らかい光になるのではないか。
 そのまま近所のドラッグストアに立ち寄り、雑貨コーナーにあった紙製の皿を購入した。発泡スチロール製の皿なら反射率は高そうだったがあいにくと見当たらなかった。
 帰宅すると、何を始めるのかと怪訝そうな妻の目線を捨て置いて加工を開始。
 と言っても簡単な作業だ。皿と580EXの固定方法を幾つか考えたが、皿自体がアンブレラほど大きくないのでバウンスで反射させる場合は580EXの筐体自体が被写体までの反射光を遮ってしまう。そこでバウンスはやめて、皿は発光方向に沿って発光面の周りを覆うように被せ、発光面に相対する形で円すい形の反射板を取り付けて皿への導光を行うことにした。
 円錐反射板は妻が弁当づくりに使っているアルミ箔の小さな皿を伸ばして、円形に切り抜いたボール紙に貼り付け、これを巻いて適当な形の円錐にした。これを皿の縁から縁へ張り渡したビニールテープに貼り付けてちょうど皿の中央に来るように配置する。皿の底には580EXの発光面が通るくらいのくり抜きを作る。
 そして完成したのがこれだ。

 何という貧乏臭さだ。

 さすがにこれを人前で使う勇気は俺にはない。
 効果の程は…意外に皿の光の透過が大きくロスが少なくないが、見かけ上の発光面が広がったため被写体に光が回り込みやすくなった、ように思う。


 さて、いつ使うのか?。それを考えていなかった。