八つ当たりか。

 院内のある行事と、Oさんが担当する某委員会のスケジュールが被ってしまった。行事は外部からの依頼で急きょ決まったものだがかなり重要なもので、一方で某委員会はやや優先度が低い。委員会にはボスの他俺や数名の医事係員が委員に含まれているが、Oさんを除く全員が行事のスタッフでもあるので行事の方を優先することになった。
 先週の末から行事の方の本格的な準備のため我々が席を外すたびにOさんの機嫌が悪くなっていった。今日は行事の当日だったのだが、定刻前に我々が腰を上げたところで「この委員会があるって分かってるのに、どうしてこんな行事の予定を入れてしまうんですかねっ!」と、憤懣やる方ないといった風で俺に一言ぶつけてきた。行事も委員会も日程を決めたのは俺じゃない。委員会を予定通り開催するためにあなたが残されたのではないのか。そもそも委員会の担当はあなたなのだから、あなたの権限で日程変更したっていいじゃないか。
 結局行事がスムーズに進み予定時刻より過早に終わったため我々は委員会にも出席できたのだが、討議中も気分が晴れない俺であった。