帰省?。

 仕事から帰ってきたのが18:30頃だったか、明日一日を空けるために今日のうちに自分の実家に行くことに。
 年始の挨拶とかどうでもいいと思っている自分だが、妻は今日もしくは明日にでも一度は行かないと常識を疑われると譲らなかった。
 明日行くとなれば、おそらく一旦アパートを出て実家に行くと帰ってからはもう出かける気も失せてしまう恐れがあったので、できれば今日の内に行っておきたい。ところが妻は俺の帰宅がかなり遅くなってしまったので、こんな時間に行くのも非常識だと言う。うるさい黙れ。
 とにかく今から行くと実家に電話して着いてみると、ドンピシャで夕食の時間だった。だから嫌だと言ったんだと妻が渋い顔をしているが知ったことではない。
 しかも妹が旅行に行ったらしく両親だけだったので、突然出現した我々に食わせるご飯はなかったようだ。普段から全く連絡もしない癖にこんな時に急にやってくるとはこの息子かなりのクズである。そんな中でも無理して天ぷらなど作って出してくれたのだが、妻は言葉と裏腹に遠慮する様子はなくビールまで飲み始めた。
 長女であったせいか気遣い・遠慮と言うものが理解できていない。まぁ嫁に行くということは不可能であったろう。
 
 自分的にはいつもすぐ駆け寄ってくるモギがいないのがさびしい限りであった。というのは、実はモギは去年の暮までにFIVが進行して感染症からの多臓器不全で死んでしまっていたのだ。
 モギが息を引き取る前の晩に妹から呼び出しを受けて、既に虫の息となっていたモギの顔を一目見ることはできた。もう目線を動かすこともできずに小さな箱の中で丸くなっていたモギだったが、名前を呼ぶと尻尾だけは元気に振って返事をした。妹はかなり手をかけて世話をしていたのだが慢性的な口内炎が2ヶ月ほど続き、最後に起きた歯周病の急激な悪化で歯が使えなくなってからはあっという間にやせ細っていき、獣医からは年は越せないだろうと宣告されていたようだ。
 モギと別にもう一匹FIV保菌で既に目立った免疫不全が出ている雌猫がいるが、悪化してきたら今度は安楽死させたいと母は言った。猫とは言え衰えていく様をずっと見ているのはつらいのだという。
 まぁそれは仕方ない。