料理のくそったれ。

 妻が不在ということは、当然家事も食事も全て自分だけで執り行うということだ。
 まぁ洗濯はいい。洗濯機と洗剤さえあればいいのだから。
 食事はどうだ。毎日コンビニ弁当で具合を悪くするわけにはいかぬ。この歳になると情けない話だが作り置きの惣菜ばかりでは胸のむかつきが止まらなくなる。
 そこでどうにか一品だけでも野菜中心の料理を作ろうと思い立った。
 簡単なものでいい。だが生野菜はダメだ。消化に良くない。ならばスープにでもすればどうか。そう思って仕事の帰りにキャベツを一つ買ってきた。
 あれだ。確か、コンソメを溶かしてスープを簡単に作れるのだろう?。
 IS11Tで「キャベツ スープ」で検索して一番最初にヒットしたサイトの記事を参考に、とりあえず始めて見る。簡単だ。切って、茹でて、食べるだけと書いてある。そうだ本当に簡単じゃないか。ちょろいものだ。
 そんな期待などものの10分で粉砕された。
 料理って奴はいつもこうだ。大した手間などかからず作れますってな風を装いながら、いざ作ろうとすればやれ材料だ調味料だ道具だとクソ面倒なことばかり要求してくる。そのくせ手順通りに作業しているのに味はこのザマだ。ふざけやがって。