モギ療養中。

 実家に入ると両親と妹が居間にいたのだが、かつては母猫ヨモギとその子どもたちが陣取っていた夕食後のキッチンの椅子を、昨年から車庫に住み着いていた一家3匹が占有していた。ずっと家に入ってくることのなかった母猫までが椅子の上に座り込み、あまり面識のない俺の顔をじっと見つめている。
 何年か前よりヨモギは猫で飽和状態となった我が実家から他の家へ住処を替えていて、ヨモギの子どもたちで残っているのはミーちゃんとモギの2匹だけ。戦いは数だよ兄貴という言葉のとおりヨモギ一家は徐々に圧倒されつつあるようだ。
 ミーちゃんはあいにく外出中という。モギは別室のダンボール個室で丸くなっていた。
 モギは俺を見てよろよろと近寄って愛想を振りまくがなぜか鳴き声も聞こえずあまり具合がよくないようだった。
 妹に聞くと最近口内炎ができて動物病院で診察を受けたところ、何とFIV検査で陽性だったという。
 おお…。