湯涌温泉再び。

 2週間前に訪れた湯涌温泉
 しかしイベントの真価は夜にあるとの情報を入手し、どうせだから一度は行こうと思っていたところ、早速今日時間ができたのでブリットを走らせた。
 今回も同伴者はF氏。
 彼はと言うと今日は国家貢献のため献血活動後に栄養補給したいとのことで、森の里にあるゴーゴーカレー本店に行きたいという。本店では花咲くいろはの関連グッズが買えるらしい。
 F氏の案内で店に到着。
 実は個人的にゴーゴーカレーの味は好きじゃない。
 最近「金沢カレー」などと持ち上げられているが、昔から…少なくとも自分が知る20年前くらいから、金沢でカレーと言えばチャンカレ、ターバン、シャルマ、そしてキッチンユキで食べられるものであって、ゴーゴーカレーのように店員が鉢巻きを締めたラーメン屋で店員の熱気に煽られて食べるような、そういう食べ物ではなかった。ゴーゴーカレーの味は言うなれば家庭で作れる辛口のカレーなのだが、それでも急かされて食べているようで味が感じられないのだ。
 嫌いならば足も遠のく。ゴーゴーカレーは1年振り以上ではなかったか。入店して早速F氏と食券販売機前に並ぶが、パネルを見てもグッズのようなものは掲示されていない。はて。
 とりあえずカツカレーをオーダしてテーブルに着いた。F氏はビジネスサイズをオーダ。
 店内には家族連れとサラリーマン風の男性がパラパラ。グッズ目当てと思しき客は見当たらない。
 店員がやってきたので食券を渡そうとしたところ、F氏は店員に言った。
 「( ゚д゚)あと、クリアファイル欲しいんですけど」
 「はい、何枚でしょう?」
 「(゚д゚)えー、閣下どうします?」
 『えっ、そんなヲタグッズ俺は別にいらn』
 「( ゚д゚)じゃぁ2枚で」
 「2枚かしこまりました!」
 
 「えー、カツカレー一つぅ、ビジネスサイズ一つぅ、クリアファイル2枚!」
 「はーいありがとうございます!」
 
 お、俺を巻き添えにしたッ!!!!!
 こっ、こいつゥウウウウ(グノー大佐風に)
 
 俺はヲタじゃないヲタじゃないヲタじゃないヲタじゃない
 脳内で自分自身に言い聞かせる。
 が、店員の視線は明らかに痛くなった。
 
 店内には花咲くいろは関連のチラシが何枚か掲示されていた。食後に店を出ようとしたが、F氏はチラシを丁寧に一枚一枚手持ちのデジカメに収めている。しまいには出入口ドアに貼られたチラシを撮ろうと入り口に齧り付き出した。店員と客の「何やってんだ」視線に耐えられなかった俺は一足先にブリットに逃げ込んだ。
 
 その後日が暮れるまで湯涌温泉付近をドライブ。この周辺は金沢方面以外は本当に何もない。医王山方面に向けて走ってみたが、すぐに普通の林道に変わってしまい引き返すことに。
 すっかり陽が落ちた頃、ブリットを停めて湯涌神社へ徒歩で向かった。前回同様、同じ目的でやってきたと思われる客が見受けられるが、その数は少ない。首から一眼レフとコンデジとカメラバッグ、手には三脚を持って歩く我々は相当奇異であった。
 神社手前の竹久夢二美術館を過ぎると、参道手前の広場で地元の人達がちょっとした物販テントを広げていた。
 集まっていた客やスタッフの視線が、現れた我々に殺到する。
 ちょっともう死にそう(精神的に)
 いや体の方も、蒸し暑い中を重い機材を背負って歩いたせいで悲鳴を上げ始めていた。
 参道の階段で息を整え、先に降りてきた家族連れとすれ違ったところで再び登り始める。参道はせいぜい30〜40m程しかないが、こんなところで加齢を感じる現実である。



 境内に入ってしばらく、三脚を立てて撮影していたところでF氏に他のお客の迷惑だからと声を掛けられた。
 ふと見ると、画角ぎりぎりのところで待ってくれている若い男性客がいた。誠に申し訳なくAEBの残りコマを撮り終わり、お詫びして先へどうぞと声を掛けた。すると彼から「それ一眼レフですよね?やっぱりこういうところで撮る時はコンデジでは難しいですか?」と尋ねられた。
 雰囲気からしてどうも普通の宿泊客ではなく、この花いろイベント目当てにやってきたヲタっぽい。『やっぱり、このイベント目当てでで来られたのですか?』と聞いてみたが、返事は曖昧。イベントが何か分からない非ヲタの一般人だったか。
 ダメ押しでどこから来たかを尋ねてみると関東からとのこと。この時期なら関東から週末を潰してヲタイベントに来るなら普通に夏コミに行くはずで、とすると彼はやはり一般人のようだ。こちらの地元を簡単に言い当てるなど、かなりこのあたりの勉強はして来たらしい。
 先に進む彼と別れてしばらく散策した後、F氏の参拝を見届けて撤退。



 その後金沢市に戻ってからは、前回同様に深夜のカラオケ三昧となり、帰宅できたのは翌朝6時を過ぎてからだった。