遅い歓迎会。

 今夜はY君が幹事を務めるTさんの歓迎会。もう3ヶ月も経過してから今更歓迎会でもなかろうと言われそうだが、Tさんは異動してきて以来どうも入院の予定があるとの噂があり、そんな時にお祝いなどと皆が遠慮して来ていたのだった。ボスがそっと聞いてみるとそれほど大事での入院ではないようで、また先日の表彰のお祝いも兼ねて一席設けることとなった。
 例によって記念写真の撮影を任されたので三脚と6Dを持ち込んだが、会場となったすき焼き専門店のお座敷が狭くて全員を収めるのに手間取った。しかもその直前にサブダイヤルを不用意に回したようで全て露出が2段以上アンダーになってしまった。素晴らしいことにDPPで現像処理の際に、DLOを強にしてデジタル露出を2段上げ、シャドウを少し持ち上げると全く問題ない結果が得られた。KissDXあたりならこうは行かなかったぞ…。
 Tさんはまだ今の業務に不慣れだと自己評価しているようで、開会の挨拶でもそのことに重ねて触れていた。実際そうであるかも知れないが、それはTさんだけの責任ではない。例えば俺もTさんがまだ理解し難い話だと思えば、Tさんの頭ごなしにボスに相談することが多々ある。なるべくTさんにも併せて聞いてもらえるよう注意しているつもりだが…。それに、この分野が未経験の人間をいきなり係長待遇で配置するのは元より無理のある話だろう。
 会話はあまり上手く弾まなかった。人数が少ないのに色々と衝突があるので仕方ないが、それでも皆大人の対応ができていて明らかに険悪になることはなく、表面上は和やかだった。俺からOさんやI君に色々と話題を吹っかけては会話を引き出そうとしたが、I君は今夜はずっと大人しいままだった。
 全体の話題は今の事柄より、ボスが今までで最高のチームだったと述懐する3年前の医事係の思い出話が中心だった。ボスも今の状況とどうしても比較してしまうのだろう。当時のスタッフがそれぞれ素晴らしい人材であったことは疑う余地もないが、今の我々でもボスの理想とする業務品質を維持できるよう努力しなければ。