10万円が1,000円に…。

 RICOH製プリンタの保守用部品をヤフオクで探していたら、昔欲しかったが高すぎて買えなかったデジカメを発見して衝動買いしてしまった。
 RICOHRDC-7S
 http://www.ricoh.co.jp/release/by_field/digital_camera/2000/1031.html
 私が最初に手にしたデジタルカメラDC-2Lの直系の子孫のひとつ。メーカーのこの発表記事では「デジカメ」と紹介されているが、実際の製品は「イメージキャプチャリングデバイス」と銘打たれ、ただのデジカメとは違う事をアピールしている。
 当時としてもやや大振りなボディだが、恐ろしく平たいスリムボディで可搬性を損なわず、倒立・首振り式の液晶モニタとホールドしやすいオペラグラススタイルで使いやすさは非常によい。実効314万画素で現状でも十分使える解像度がある。(ちなみにDC-2Lは実効38万画素だった)
 DC-2L以来の独自機能、静止画+音声記録モードと文書撮影に適した2値撮影モードも残っているし、新たに動画撮影モードや高解像度作成モードが追加されている。この高解像度モードが独特な仕組みで、一度のレリーズ動作で2回の連続露光を行い、得られた2つの画像を合成して擬似的に解像度を向上させている。まだ一般的なデジカメの画素数が300万画素程度だった頃なので、これによって最大700万画素の撮影が可能になるこの機能はRDC-7Sの目玉ではないだろうか。この機能の弱点は連続露光ではどうしてもタイムラグが発生するので、撮影時には手ぶれを避けるため三脚が必須になることだ。
 実際に持ち出して使ってみた。少し重さが気になるものの、両手で双眼鏡を持つのと全く同じスタイルでホールドするので手ぶれしにい。考えてみれば、一眼レフのように重量のあるレンズでノーズヘビーになってしまうカメラでなければ、このホールド姿勢が最も自然な撮影しやすい形なのではないだろうか。リモコンはDC-2Lのオプション品だったDR-2が、レリーズボタンなど一部の機能だけであるものの転用できた。
 今時のデジカメに比べるとレリーズタイムラグがとても長く、動き回る被写体を追うのは難しい。またAFでは測距点がどこなのか、どこにフォーカスしたのか(中央だろうとは思うのだが)分かりにくかった。
 一番問題になるのは、保存媒体がスマートメディアである点だ。記録速度がやや遅いのは止むを得ないが、既に媒体の規格として製品寿命を終えてしまったスマートメディアは、容量の多寡に関わらず市場で入手がとても困難になってしまっている。今回RDC-7Sの入手にあたり、各種メディアに強いと評判のいくつかの有名なオンラインショップを回ってみてもほとんどが取り扱い無し、極稀に取り扱いがあっても、今となっては小容量の64MB製品でさえ6,000円を下らず、最大容量の128MBでは10,000円を超えるのが当たり前だった。
 以前使っていた富士フイルム製FinePix2900Zに用意した64MBの媒体が1枚だけ残っていたので、こちらを使用することにする。脆弱で突然死が多い事で有名なスマートメディアだけにいつまで持つのかが気がかりだ。