成人式。

 成人式開催の雑務要員に駆り出された。主管課では手が足りないため応援に行くわけだ。
 これまでは小学校の体育館を使って行っていたが、数年前に市民ホールが新設されたのでそちらへ会場を移している。
 成人式スタッフは初めてだったが、どうにも手際の悪さが目に付いた。
 スタッフは1ヶ月前に決まっていたが、誰がどこへ配置されるのか、配置先の業務が何なのか、当日の開会直前まで全く説明がなかった。
 聞かないこちらもどうかしていたと思うが…。会場内外それぞれの分担もデタラメになってしまい、会場内の整理誘導担当が外のスタッフと一緒になって雪かきをしている状態だった。
 式典は建物内のステージで行われた。一旦は進学や就職で日本各地に散った新成人の中で、この日のために戻ってきた出席者はあまり多くはなかった。主管課によると例年よりは出席率が高いらしい。しっかりした観客席があるので、家族や招待者からはとても見やすい式典だったように思う。
 一連の式次第が終わると、招待者による講演会の後、出身地区別にステージに上がり記念写真の撮影を行う予定が組まれていた。
 新成人は受付で説明を受けていたのだが、なんと応援のスタッフがそれを知らなかった。
 間の悪い事に講演が予定時刻より大幅に早く終わってしまい(40分演目の予定だったのがわずか10分!講演料払うなよ)写真屋さんもチーフリーダーも右往左往。
 講演が終わった後にすぐ撮影に入るはずだったらしいが、あまりに講演が短すぎたせいか司会者も段取りを誤ったようだ。司会者からも次の予定のアナウンスがなくつかの間放置状態となった会場では、勝手に休憩時間と思い込んでホール外へ出てしまう出席者が出始めた。
 司会者が慌てて撮影開始のアナウンスを流したが時既に遅し。しかも司会者のアナウンスはホール内でしか聞こえず(出席者の喧騒に紛れて最初から聞こえにくかったが)、どうしたことかロビー全体への放送は行われなかった。
 ホール内のアナウンスを聞いて我々応援スタッフが声を荒げてロビーで叫ぶ事で案内とした。受付で聞いたスケジュールを覚えていた出席者はそれでホールに戻ってきたが、地区ごとに出席者を確認していた公民館のスタッフによると、やはり何人かは撮影に参加せず帰ってしまったらしい。
 ホールのカウンターにはまだ数名手の空いたスタッフが詰めていたのだから、せめてホール全体にアナウンスを流して出席者をまとめればよかったのにと思う。大半はその後の同窓会や打ち上げなどで気が急いていただろうから、なお配慮する必要があったと感じる。
 巷間言われるような荒れる成人式ではなかった事を付け加えておく。ただ悲しいかな、新成人として出席した外国人を見つけてからかうDQN集団がいたらしい。そんな馬鹿な日本人、ごく一部だからなー。