高額伝票。

 会計システムで20件近い伝票を処理した。電算部門ということでシステム保守に関係する巨額の支出を何件も処理しなければならず結構焦る。しかもその中に地雷のように数万円程度のプリンタ修理費なんかが混じっているのでうっかり振替先と決裁レベルを間違えてしまう。過誤で訂正となるとそこら中の課長に謝りまくらなければならないのでビクビクだ。
 前任者の先輩もその辺は適当で、一回で決裁が降りた試しはないらしいのが救いだが。
 その先輩からTELがあった。向こうのシステムで使っている特殊用紙の紙質がプリンタの仕様にギリギリなので変更したいのだが、その紙質を強硬に指定したのは君だと聞いたが、どうすればよいかとのこと。
 俺じゃない俺じゃない。いなくなったのを幸いにして何でも俺のせいにしてやがるのか。その紙質を選定した理由について説明し、ハードウェア仕様の面からは変更しても問題ないことと、運用上の必要性が本当に変わっているのか必ず関係者に確かめて欲しいと念押しした。
 なんというか。油断ならん。