小松基地で。
残っていた最後の夏季休暇を、9月の最後に使うことになった。
結局撮影準備をして、正午過ぎには小松空港に来てしまった。
スカイパークこまつ共生の丘は、平日だと言うのに望遠レンズ装備のカメラマンで賑わっていた。正確に言えば女性も見受けられる。
そりゃあこんな風にいつも来れる人達に比べたら、1~2ヶ月に1回しか来れない自分などいつまで立っても技術も練習量も追い付かない。
ま、言い訳ですが。
彼らは当然のごとくエアバンドレシーバーを装備していた。
なければ自衛隊機がいつ離陸するのかも分からないので(民間機ならアプリFlightRader24で十分)ここへ来る際は必需品なのだが俺は持っていない。
どうする?。簡単。周りで航空無線を聞いている人の行動を追いかければいい。
と思っていたが、ワイワイやっているグループだと「303SQ上がるって!」などと声掛けし合っているので分かりやすいが、俺と同じようにソロで来ている人だと気付かないうちにそっと撮影ボジションに移動してしまっていたりして、追いかけるのが難しい。
仕方ないのでいつものようにブリットの窓を開けておき、離陸前のエンジン音を聞いて判断するしかなかった。
買おう。i-comあたりの2万円くらいの安いレシーバーを。
そのまま終日、6DとSIGMA 150-600mm C.をぶら下げて自衛隊機や民間機の撮影を続けた。
日暮れ直前の17:40頃。若い学生グループが「今ハイレートクライムって言ったぞ」と、慌てた様子でランウェイ24エンドに向かって走り出した。離陸管制がこれから訓練のため離陸するF-15に、ギャラリーに見応えのある高仰角での離陸を指示したのだ。そういえば午後になると小松基地の保安隊の車両がこの丘にパトロールにやってくるのだが、そういうところも把握しに来ているのだろうか。
それを見て一斉に後を追う撮影者たち。もちろん俺も走る。訓練飛行は平日ほぼ毎日行われるが、ハイレートクライムの可否はどうもギャラリーの有無などで都度判断されるらしく、必ず見られるとは限らない。
24エンド脇の市道の路肩で、思い思いに離陸を待つ撮影者達。
しばらくして6機のF-15が順次離陸を始めた。最初の2機はギアアップと同時にアフターバーナーを消して緩やかに上昇していく。
次の2機はギアアップしてもアフターバーナーを点火したまま、我々の上空を越えると同時に急角度で機種を上げ、強力なベイパーを作った。ノズルから吐かれる轟音が一際強い。
残念ながら撮影には失敗した。アフターバーナーが残す高温の排気の陽炎がAFを迷わすのか、ある程度遠ざからないとフォーカスが合わない。
やはり練習か。